総合学術博物館について

沿 革

 大阪大学は、その精神的源流である大坂町人の学問所の懐徳堂と適塾から多くの文化財を継承するとともに、1931年の創立以来の教育研究の成果として多数の学術標本を収集保存してきました。しかしこれらの貴重な標本を研究室や部局の枠を超えて統一的に保存・活用する組織がなく、学内の各所に分散して所蔵されている標本のもつ情報を一元的に管理し、学内の教職員や学生はもとより、学外の方々にも容易にその情報を利用できるシステムを整備することが急務となっていました。

 一方、1995年度に学術審議会学術情報資料分科会によって「ユニバーシティ・ミュージアムの設置について」が報告され、全国の大学で博物館の開設が進められることになりました。そこで、大阪大学でも博物館設立準備委員会が設置され、2002年4月に大阪大学総合学術博物館が全国で第8番目の国立大学総合博物館(省令施設)として発足しました。 

記念展全景写真

設立記念展「いま阪大で何が?― 人間・地球・物質」2002年 大阪歴史博物館・NHK大阪放送会館1階アトリウム

 2002年10月には、「いま阪大で何が?-人間・地球・物質」のテーマで設立記念展を大阪歴史博物館・NHK大阪放送会館アトリウムにて行いました。それ以降、学内組織はもちろんのこと、大阪歴史博物館、NHK大阪放送局、豊中市教育委員会、千里ライフサイエンスセンター等、さまざまな学外組織と連携を行いつつ、企画展・特別展等をはじめ、さまざまなイベントを開催しています。

 2004年4月には、イ号館(2011年4月に全面改装し、大阪大学会館と改称)1階に「マチカネワニとキャンパスの博物誌」をテーマにした展示場を開設しました。2005年8月には、旧制高校の教材標本等を待兼山修学館(旧医療技術短期大学部本館)に移設し、史料準備館として一般公開を行いました。待兼山修学館は、建物ごと全面改装し、2007年8月より3階建て+屋上ルーフテラスの待兼山修学館展示場として一般公開しています。待兼山修学館展示場は、1階にミュージアムカフェも併設し、教職員だけでなく広く地域の憩いの場としても活用され、今日に至っています。2012年には、待兼山修学館展示場に隣接する高機能収蔵庫が竣工し、適塾資料など貴重な学術標本を万全の体制にて保存できる設備が整いつつあります

コンセプト

 大阪大学には、ふたつの源流があります。江戸時代中期に大坂町人の手で創設され、自由で批判精神に富む学問の花を咲かせた「懐徳堂」と、江戸時代末期、緒方洪庵が創設し、近代日本創設の原動力となった福沢諭吉をはじめ、若き俊英たちを輩出した「適塾」です。大阪大学はこうした知的伝統の上に、わが国有数の総合大学に発展し、さまざまな分野で日本と世界をリードしています。

 本館は、学内に残されている貴重な学術資料の収集・保存・展示と、その基盤となる教育・研究活動を進めています。また、大阪大学の歴史や数々の先達の業績を現代に伝えるとともに、最新の研究成果を社会に発信します。「地域に生き 世界に伸びる」というモットーにより、本館は社会と大学とを結びつける役割を担います。

活 動

「地域に生き 世界に伸びる」をモットーとする大阪大学において、総合学術博物館は地域社会との連携の拠点となる組織です。大阪大学の歴史から最新の教育・研究成果までを学内外に紹介する様々な活動を行っています。

1 .展 示

 総合学術博物館では、大阪大学が創立以来収集・保管してきた学術標本を展示公開するとともに、大阪大学の最新の教育・研究成果を展覧会の形式で紹介しています。

 2007年にオープンした待兼山修学館展示場では、大阪大学の源流である懐徳堂・適塾から現在の大阪大学にいたる大学の歴史、大学の歴史の中で様々に活躍した研究者とその業績、大阪大学豊中キャンパスの立地する待兼山の自然や歴史、待兼山で発掘されたマチカネワニの化石などを常設展において公開しています。待兼山修学館3階の多目的ルームでは毎年2回、春と秋に企画展・特別展を行い、学内の研究者の協力で、最新の教育・研究成果の紹介を行っています。企画展・特別展のテーマに合わせたミュージアムレクチャーやワークショップも開催しています。

2 .収集・調査

 大阪大学では創立以来の教育研究の過程で多数の学術標本を収集保存してきました。先史時代の出土品から先端研究の機器や標本にいたるあらゆる学術分野に関連する資料で、総数166万点に達します。

 総合学術博物館では、各部局に散在していた学術資料を一元的に管理します。さらに収集した標本を学内外の研究教育に活用できるようデジタル情報化し、インターネットを通じて公開できる環境の整備を進めています。

 また、特定の目的で収集された学術標本を別の視点や新たな方法で調査することにより、これまで知られていなかった学術価値を見出し、大学の教育研究活動へ再活用する方法を研究し、異なる学問分野の間で共同研究のコーディネーター役を果たします。

3.教育

 最先端の分析・測定技術を駆使して、標本資料の新しい学術価値を見出します。同時に、これらの資料を通じて、「文理融合」を理念として異なる学問分野の間で共同研究のコーディネーター役を果します。また、古い理化学機器などの学術標本を、教育活動へ有効的に再活用する方法を研究します。また、学芸員資格取得に必要となる博物館実習による人材育成を通して、博物館全体の振興・支援・協力を行っています。

4. 社会貢献

 総合学術博物館は企画展・特別展以外にも様々な社会貢献・地域連携活動を行っています。大学で行われている最新の研究をくつろいだ雰囲気で紹介する「サイエンスカフェ@待兼山」は2008年に始まり、現在は総合学術博物館のイベントとして定着しています。毎年夏には「夏の小学生科学体験教室」を開催しています。

 また総合学術博物館湯川記念室の主催で毎年「湯川記念講演会」と「最先端の科学を高校生に―Saturday Afternoon Physics」を開催しています。

 

子どもたちとゲストスピーカーの写真

サイエンスカフェ@待兼山

 

聴講者と講師の写真

ミュージアムレクチャー