どんな事がわかるのか

化学シフトと分子構造
核スピンが含まれる原子は、異なる原子間で結合をつくり分子が形成されます。このとき、NMRを観測する対象となる核スピンが、どんな原子と結合を作るかによって、核スピンの感じる小さな磁場が変化します。NMR分光法は、このような非常に小さな変化を、感度良く検出することができるため、分子構造に関する詳しい情報を得ることができます。

 

手をつないでいる(結合している)相手によって、吸収する
ラジオ波の周波数が変わります(化学シフト)。

 

磁気双極子−双極子相互作用と距離情報
固体の中で空間的に固定された核スピンどうしの間には、磁石のように互いに引き合ったり、反発したりする力が働きます。これを、核スピン間に働く磁気的相互作用(磁気双極子-双極子相互作用)といいます。核スピンの磁気的相互作用は、核スピンの間の距離や、核スピン間をつなぐ線が外部の磁場に対しどのような方向を向いているかによって変化します。固体NMR分光法では、このような磁気的相互作用を使って、固体中での核間距離を測定したり、分子の構造について調べたりすることができます。

 

NMRと分子運動
固体のように固い物質の中では、それを構成する分子もまた止まっているものと思われがちです。ところが、分子のように非常に小さな物質は、固体の中でも回転したり、拡散したりといった分子運動をしています。このような個々の分子がつかさどる運動が、固体全体としての性質や構造を決める重要な要因になっています。NMR分光法は、このような分子が行なう分子運動を調べることができる数少ない測定手法です。