大正グラデーション ― 移りゆく都市へのまなざし ―
会場:大阪大学会館 3F 歴史展示室 入場無料
会期:2016年10月17日(月) 〜 2016年11月25日(金)
土曜・日曜・祝日は閉室。ただし大学祭期間中の11月5日(土)・6日(日)は開室。
開室時間:午前 10:30 〜 午後 5:00
【大学祭期間中( 11月4日(金)・5日(土)・6日(日))は午前 9:30 に開室します。】
主催:大阪大学総合学術博物館
【開催趣旨】
2010年度より開講している博物館学実習では、受講生がA・B各日程4班ずつに分かれて模擬展示を企画・実施しています。2013年度末よりその一端を当館Webにて掲載していますが、2014年度から、優秀な展示を歴史展示室にて一般に公開することにしました。今年度は、教員・受講生による投票の結果、織田一磨の版画作品を扱ったA-1班および女流水墨画家・松本奉山作品を扱ったBー2班が最優秀賞に選出されました。ここでは、A-1班の力作を、みなさまにご覧いただきます(B-2班の展示は、2016年12月19日(月)~2017年1月27日(金)を予定しています)。
【展示概要】
織田一磨(おだかずま)は、近代の新しい潮流である創作版画の発展に寄与した版画家です。創作版画は、浮世絵のように絵師と職人の分業ではなく、画家自身が原画を描き、版を彫って摺る版画です。織田はこの手法で芸術性の高い作品を生み出しました。
織田は明治15年(1882)東京の芝に生まれ、12歳の時に大阪に転居し、一旦東京に戻りますが、明治44年(1911)から再び大阪で制作を行い、大阪市図案調整所に勤務しながら、初代通天閣の天井装飾も行いました。東京と大阪を行き来するなかで、刻々と変化する大正期の都市の姿を見つめました。
《東京風景》は大正5年(1916)から翌年にかけて、《大阪風景》は大正6年(1917)に制作されました。《東京風景》は、関東大震災前以前、江戸の面影を残す東京を伝える資料であり、《大阪風景》では、思春期を過ごした水都の水辺を中心に近代化で移り変わる景色も描かれています。河川の多い大阪特有の景観は、「灰色好み」と言われた当時の織田の画風によく合致しました。
織田一磨没後60年となる今年、織田の愛した「江戸情緒」溢れる景観から「モダン都市」へと変貌していく都市の姿を、代表作《東京風景》《大阪風景》を中心にとりあげます。街の姿の変化だけではなく、時間のうつろい、デリケートな色調、織田の思いなど、様々な意味合いがこめられた、織田芸術のグラデーションを探しながらお楽しみください。
【展示構成】
第1章 江戸の趣
第2章 モダンの空気
【主な展示品】
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織田一磨《東京風景》より《木場雪景》(複製)
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織田一磨《大阪風景》より《道頓堀川》(複製)
- 徳力富吉郎《道頓堀の夜》(実物)
【イベント】
ミュージアムレクチャー
- 2016年11月19日(土)「描かれた近代大阪-織田一磨《大阪風景》を中心に-」
14時~15時30分、待兼山修学館3Fセミナー室(展示会場と異なります)にて
定員30名、当日先着順(聴講無料、15分前より開室)
参加無料
講師:橋爪節也(大阪大学教授 総合学術博物館/大学院文学研究科兼任)、博物館学実習優秀班メンバー
内容:織田一麿の「大阪風景」を中心に、その画業をふりかえると共に、近代化の渦中にあった大正期大阪の“街の風景”についてお話します。
【連絡先】
展覧会について
〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1-13 大阪大学総合学術博物館
TEL 06-6850-5982, FAX 06-6850-6720
ご意見・ご要望よりお問い合わせください。
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