The Mineral World

   

 大阪大学総合学術博物館 第12回特別展

The Mineral World

人と鉱物のつむぐ物語

 

   人類は“石”を活用することで文明を発展させてきたといっても過言ではありません。石器や石材として石そのものを活用した時代から始まり、鉱物から金属を取り出して利用することで、青銅器、鉄器と扱える金属の数を増やすごとに文明はレベルを上げ、現代の高度なテクノロジーを得るまでに至りました。また、人類は古来、石に“ふしぎ”な力や性質も見出し、原始には祭礼の対象として祀られました。“石”のふしぎに魅せられ、探求することで文化的または科学的な発展へと繋がります。

   本展覧会では、そんな石の“ふしぎ”に魅せられてきた人類の歴史と発展を東西の石の研究史から紐解きます。また、石に関わった人々にもスポットをあてます。日本を含むアジア地域では、石の研究は“本草学”という学問領域に含まれていました。日本において本草学は江戸時代に博物学の芽生えともいえる変革期を迎えます。本草学において石の研究で特に活躍した平賀源内に代表される本草学者たちを本展覧会では紹介します。しかし、明治維新と共に西洋鉱物学が導入され、研究も変容し、本草学という分野は忘れ去られてしまいました。ですが日本の近代鉱物学の中において、今でも形を変えて、それらは息づいているのです。明治維新から現代にいたる、鉱物学者たちの系譜を紐解きながら、その全貌を明らかにしていきます。エピローグとして、現代そして未来の鉱物学を紹介します。最先端の鉱物研究と活用、そして日本が世界に先駆けて成功した惑星探査“はやぶさ”における宇宙鉱物学の成果を展示します。(チラシデータはこちら

 

会場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館 ※入場料:無料

会期:2018年10月22日(月)~12月21日(金)

開館時間:10時30分~17時(入館は16時30分まで)

※日曜・祝日休館(ただし、11月3日(土・祝)、4日(日)は開館(10:00~17:00))

 

主催:大阪大学共創機構社学共創本部/総合学術博物館

後援:産経新聞社

協力:石見銀山資料館、公益財団法人益富地学会館、有限会社翠宝堂、国立極地研究所、

         宇宙航空研究開発機構、京都大学大学院理学研究科地質学鉱物学教室、

         大阪大学大学院理学研究科附属基礎理学プロジェクト研究センター、京都造形芸術大学、

         平賀源内記念館、株式会社海洋堂、大阪大学 21世紀懐徳堂

 

※本展覧会には、日本学術振興会科学研究費補助金(若手研究(A)16H05900、基礎研究(B)17H02293)による研究の成果の一部が含まれます。

 

 

展示構成

 ゾーン1 プロローグ ~人と鉱物~

◎日本の国石“翡翠(ヒスイ)”の展示

・人類の文明の発展は“石”の活用と共にある

・“石”について

・鉱物の研究史

 

翡翠製の勾玉(翠宝堂所蔵)

ーン2 東洋、日本における鉱物の研究史 ~本草学から鉱物学へ~

◎江戸期に石見銀山で採掘された銀鉱石(関西初公開)、平賀源内作の火浣布

・本草学

・日本における本草学(江戸期)

・前明治時代の日本の鉱業資源の活用

 

石見銀山の銀鉱石・福石(江戸時代に採集、石見銀山資料館所蔵)

ゾーン3 大阪大学の鉱物標本 ~研究者の足跡をたどる~

◎大阪大学総合学術博物館の鉱物標本展示(大阪高等学校旧蔵標本、竹林コレクションなど)

・大阪大学が所蔵する鉱物標本について

・大阪の大地から産する鉱物

・大阪大学にゆかりのある研究者が発見した新鉱物ならびに研究者に献名された新鉱物

 

蛍石・槌田コレクション(大阪大学総合学術博物館所蔵)

ゾーン4 鉱物の宝庫“地球” ~地球から宇宙へ~

◎火星や月を起源とする隕石(国立極地研究所蔵)

・鉱物の宝庫 地球の姿

・地球と人類の未来 限りある資源としての鉱物の利用

 

石鉄隕石(チリに落下、益富地学会館所蔵)

 

 

関連イベント

【ミュージアムレクチャー】

会場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館3階セミナー室

定員:30名(先着順・申込不要、参加費:無料)

いずれも14:00~15:30(入場受付は30分前から開始) ※小学生は必ず保護者同伴のこと

 

 

11月3日(土・祝日)「“石”と人との物語 ー鉱物の活用と人類の発展ー」

講師:石橋 隆(公益財団法人 益富地学会館 研究員/大阪大学総合学術博物館 博物館研究員)

・地球の営みの中で誕生した鉱物から、有用な金属などを取り出して活用することで人類の文明は発展しました。現在の高度な文明も鉱物をはじめとする地下資源の恵みなくして成り立ちません。我々にとって不可欠な鉱物とはどのようなものかを解説し、近世における金属活用の一例として、大阪大学が調査中の『石見銀山』に遺された江戸時代の銀鉱石の研究成果などを紹介します。

 

11月4日(日)「石を見つけよう!! ー鉱物ハンティングの楽しみー」

講師:藤浦 淳(鉱物ハンター/産経新聞大阪本社編集企画室企画担当部長)

・小学6年生の秋の遠足が私の人生を決めた。ガーネットの結晶を探そうという課題に私は懸命になり、そして見つけてしまった。大地の星を。それ以来、鉱物を愛し、結晶に魅せられて40年、これまでの〝ちょっと〟した発見エピソードを通じてお宝探しの魅力を語ります。

 

11月17日(土)「鉱物コレクションと展示 ー日本、欧米、中国の博物館を例としてー」

講師:豊 遙秋(元産業技術総合研究所 地質標本館館長/地球科学者/理学博士)

・大阪大学総合学術博物館には、約2,000点の鉱物標本が収蔵されており、豊遙秋博士によって整理が進められました。博士は豊富な記載鉱物学の経験を生かして、これまでに多くの国立大学や自治体が収蔵する鉱物標本の整理をしておられます。日本のみならず、海外の博物館における鉱物コレクションとその展示について講演していただきます。

 

12月15日(土)「美術にみる石 ー素材以上に魅力を放つ存在感と力ー」

講師:横谷 賢一郎(大津市歴史博物館 学芸員)

・石は、その硬度や耐久性、永続性ゆえに、文明の初期段階から、道具や利器の素材とされてきました。しかし、同時に、石自体に霊性や魅力を感じて、それ自体を活かした美術品に取り上げてきた歴史が人類には、あります。今回は、東洋美術を中心に、作品にみる魅力的な石を紹介します!

 

 

 

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