待兼山

 歌枕として古歌に詠まれるとともに、大阪に残された数少ない里山である待兼山。登録文化財である待兼山修学館と大学会館を結んで、待兼山の山中を遊歩道が結んでいます。

 大哲学者イマヌエル・カントは、毎日同じ時間に散歩したエピソードで知られています。哲人になったつもりで待兼山の遊歩道を散歩し思索を深めるのはどうでしょうか。

 うつろいゆく、四季それぞれの待兼山の姿を写真で紹介いたします。

 

津の国の待兼山の呼子鳥鳴けど今来(いまく)といふ人もなし

「古今和歌六帖」

こぬ人を待ちかね山の呼子鳥おなじ心にあはれとぞ聞く

肥後「詞花和歌集」

夜をかさね待ちかね山の時鳥雲井のよそに一声ぞ聞く

周防内侍「新古今和歌集」

明くるまで待ちかね山の時鳥けふも聞かでや暮れむとすらむ

藤原顕綱「続後拾遺和歌集」