大阪大学総合学術博物館 第12回企画展
「線の表現力」
アートの諸形態、須田国太郎《能・狂言デッサン》から広がって
会 期:2010年10月27日[水]〜2011年 1月 8日[土]
10:30〜17:00 入場無料
日祝、12月29日[水]〜 1月 3日[月]は休館
ただし11月 7日[日]は開館
会 場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館
主 催:大阪大学総合学術博物館・大阪大学附属図書館
共 催:大阪大学大学院文学研究科
特別協力:芦屋市立美術博物館
協 力:大阪大学21世紀懐徳堂
開催趣旨
原始の岩窟壁画の時代から、人類は“線”を刻みつけることでコミュニケーションをしてきました。組みあわされた複数の“線”は、言葉を伝える文字となる一方、世界を写しとり、それを表現する絵画へと発展します。中国や日本では、絵画の基本的な要素である「画之六法」の二番目に「骨法用筆」があげられるなど、“線”の存在が重視されます。また、西洋の絵画でも“線”の存在がいかに重要であるかは言うまでもありません。さらに“線”による表現は、現代アートの世界でも多種多様な試みがなされてきています。
この展覧会では、大阪大学附属図書館に寄贈された、日本近代を代表する洋画家・須田国太郎(1891−1961)の《能・狂言デッサン》を中心として、日本の近現代美術における“線”による表現をごらんいただきます。モノの形象を画面に再現する写実的な“線”、それ自体の美しさを主張する“線”、日本画と洋画の“線”の違いなどを紹介します。そして須田国太郎が終生、熱中した能や狂言の舞台スケッチを公開し、写実的でありながらも、演者の動きとともに “線”が加速し、運動を追跡する素描へと変容していくことを示します。最後に、モノの再現を解き放たれ、運動体と化した“線”が、抽象絵画もふくめた新しいアートの表現へと進んでいくことを示します。
展示構成
第1章 “線”は自分の歌を歌い出す─具象化への意志と美しき“線”─
第2章 運動の軌跡をえがきとめる─須田国太郎《能・狂言デッサン》─
第3章 “線”は別の歌を歌い出す─抽象化への疾駆、さらに新しい表現へ─
主な作家
須田国太郎、藤田嗣治、村上華岳、松本竣介、吉原治良、松谷武判、三上誠、佐藤忠良、中山忠彦、中村貞夫、濱田弘明 ほか
展示作品例
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須田国太郎 「邯鄲」 紙・鉛筆 1942 大阪大学 附属図書館蔵 |
須田国太郎 「道成寺」 紙・鉛筆 1949 大阪大学 附属図書館蔵 |
須田国太郎 「熊野 花之留」 紙・鉛筆 1933 大阪大学 附属図書館蔵 |
ワークショップ
11月6日(土)13:30〜15:00
中村貞夫(画家・宝塚大学講師)「描線を楽しもう―1本の線で描く―」
※ピカソが得意にした一筆描きの素描をみんなで楽しみましょう。あなたの描いた“線”が会期中、1階ロビーのインスタレーションを飾ります。画用紙、鉛筆は当館で用意しますが、その他、スケッチブック、筆、ペンなど、ご持参歓迎です。
定員40名(先着順)
ミュージアムレクチャー
11月 7日(日)13:30〜15:00
【第27回】中村貞夫(画家・宝塚大学講師)
「線描の軌跡」
11月27日(土)13:30〜15:00
【第28回】上野正章(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター共同研究員)
「愚直な音楽ージョンケージによる図形楽譜の試みー」
12月 4日(土)13:30〜15:00/15:15〜16:30
【第29回】天野文雄(大阪大学名誉教授)
「能と絵の出会いー須田国太郎 能・狂言デッサン再考ー」
【第30回】須田寛(JR東海相談役)
「〈能〉と父・須田国太郎」
※天野・須田両氏による対談あり
12月11日(土)13:30〜15:00
【第31回】加藤瑞穂(芦屋市立美術博物館主任学芸員)
「行為の痕跡:1950年代〈具体〉作品の線」
3階セミナー室にて開催。いずれも聴講自由、30分前より受付開始。定員60名。
パンフレット (pdf A4両面 1.6MB)
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会場
大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館
〒560-0043 大阪府豊中市待兼山町1-20
Tel 06-6850-6284
http://www.museum.osaka-u.ac.jp/
阪急宝塚線「石橋駅」下車、徒歩10分
※公共交通機関をご利用ください。
また、当館はバリアフリーですので、障害者向駐車場スペースをご活用ください。
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