線の表現力 アートの諸形態、須田国太郎《能・狂言デッサン》から広がって
会 期:2010年10月27日(水)~2011年1月8日(土)
会 場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館
原始の岩窟壁画の時代から、人類は“線”を刻みつけることでコミュニケーションをしてきました。組みあわされた複数の“線”は、言葉を伝える文字となる一方、世界を写しとり、それを表現する絵画へと発展します。中国や日本では、絵画の基本的な要素である「画之六法」の二番目に「骨法用筆」があげられるなど、“線”の存在が重視されます。また、西洋の絵画でも“線”の存在がいかに重要であるかは言うまでもありません。さらに“線”による表現は、現代アートの世界でも多種多様な試みがなされてきています。 この展覧会では、大阪大学附属図書館に寄贈された、日本近代を代表する洋画家・須田国太郎(1891-1961)の《能・狂言デッサン》を中心として、日本の近現代美術における“線”による表現をごらんいただきます。モノの形象を画面に再現する写実的な“線”、それ自体の美しさを主張する“線”、日本画と洋画の“線”の違いなどを紹介します。そして須田国太郎が終生、熱中した能や狂言の舞台スケッチを公開し、写実的でありながらも、演者の動きとともに “線”が加速し、運動を追跡する素描へと変容していくことを示します。最後に、モノの再現を解き放たれ、運動体と化した“線”が、抽象絵画もふくめた新しいアートの表現へと進んでいくことを示します。
主 催:大阪大学総合学術博物館、大阪大学附属図書館
共 催:大阪大学大学院文学研究科
協 力:大阪大学21世紀懐徳堂
関連企画
<ミュージアムレクチャー> | |
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11月 7日(日) | 線描の軌跡 |
11月27日(土) | 愚直な音楽ージョンケージによる図形楽譜の試みー |
12月 4日(土) | 能と絵の出会いー須田国太郎 能・狂言デッサン再考ー |
12月 4日(土) | 〈能〉と父・須田国太郎 (※天野・須田両氏による対談あり) |
12月11日(土) | 行為の痕跡:1950年代〈具体〉作品の線 |
会場:待兼山修学館 3階セミナー室 |
<ワークショップ> | |
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11月6日(土) | 描線を楽しもう―1本の線で描く― |
会場:待兼山修学館 3階セミナー室 時間:13時30分~15時
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