大阪大学総合学術博物館 夏期特集展覧会
藍と薬のめぐりあい
―和漢薬「敬震丹」と阿波・大坂―
会期:2015年7月25日(土)~8月25日(火)
開館時間:10:30~17:00
休館日:日曜日
入館料:無料
会場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館
主催:大阪大学総合学術博物館
共催:徳島市立徳島城博物館
協力:くすりの道修町資料館
大阪大学21世紀懐徳堂
特別協力:犬伏製薬株式会社
概要
江戸時代、阿波国(徳島県)の製薬業者・犬伏古松軒が世に送り出した「敬震丹」は熱さましや気付けの効能で知られ、阿波のみならず全国各地に出荷されました。麝香(じゃこう)、牛黄(ごおう)など希少で高価な生薬を数多く配合したこの薬の誕生には、阿波屈指の藍商でもある犬伏家の経済力と、そして日本一の薬種市場である大坂道修町との結びつきが深く関わっています。本展覧会では、現代まで作り継がれるこの「敬震丹」に焦点を当て、その歴史や材料、生産方法、販売戦略や流通に至る様々な資料から、阿波と大坂を結ぶこの妙薬をとりまく世界を紹介します。本展覧会は徳島市立徳島城博物館との巡回展ですが、本展覧会でのみ、道修町文書(大阪市指定文化財)を展示いたします。
展示構成
(1)阿波犬伏家と藍と薬
犬伏家は板野郡東中富町(現・徳島県板野郡藍住町東中富)を拠点としていた阿波有数の富豪でした。近世阿波の繁栄を支えた特産品「藍」の取引で財を築いた同家が、やがて薬剤の製造・販売へと家業を拡大させていった過程を、資料とともに辿ります。
(2)和漢薬「敬震丹」の誕生と大坂・道修町
麝香(じゃこう)、牛黄(ごおう)など舶来品を中心とした高価で希少な薬種を惜しみなく使用し、生み出された「敬震丹」。こうした原料となる輸入生薬・唐薬は当時、ほとんどが大坂の道修町を経由して流通していました。日本を代表する製薬会社を多く生み出した薬の町・道修町の歴史と流通の世界を、貴重な文書とともにご紹介します。
(3)犬伏古松軒の販売戦略
いかに効能が優れていても、その薬が大きな支持を得るには、知名度を高め、販路を広げる試みが必要です。当時使用された看板や広告から、犬伏古松軒の販売戦略を探ります。
(4)敬震丹を作り出す道具たち
「敬震丹」をはじめとする薬剤の生産工程では、様々な道具が使用されていました。実際に使用されていた道具類とともに、その工程を辿ります。
関連イベント
【ミュージアム・レクチャー】※聴講無料
会場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館 3階セミナー室
定員:60名(いずれも当日先着順、開場13:30)
- 第64回 8月1日(土) 14:00~15:30
「緒方洪庵の薬箱が語る世界:近世の医療とセルフメディケーション」
講師:髙橋 京子(大阪大学総合学術博物館 准教授)
- 第65回 8月8日(土) 14:00~15:30
「近世の薬種流通と大坂道修町」
講師:清水 香穂(大阪大学大学院文学研究科 博士前期課程修了)
- 第66回 8月22日(土) 14:00~15:30
「阿波の伝統薬「敬震丹」~現代のストレス社会を見越した妙薬~」
講師:犬伏 壮一郎(犬伏製薬株式会社 薬剤師)
お問い合わせ先
大阪大学総合学術博物館(〒560-0043 豊中市待兼山町1-13)
Tel:06-6850-6284 または こちらから
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