中村貞夫の視覚構造-「世界四大文明」シリーズにおける遠近を交錯する視界- 第2回

連載コラム「中村貞夫とその芸術」

大阪大学総合学術博物館は、豊中市立文化芸術センターとともに2018年に洋画家中村貞夫の回顧展「洋画家 中村貞夫  四大文明の源流を求めて 探究の旅、描きとめる熱情 」を開催しました。大阪にうまれ、大阪大学を卒業した中村貞夫は、現在も制作を続ける油絵画家です。このコラムでは、展覧会では伝えきれなかった中村の魅力を、中村貞夫に関わりのある論者から、様々な視点を通じ伝えていきます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第9回 2021年2月3日

武澤里映 中村貞夫の視覚構造-「世界四大文明」シリーズにおける遠近を交錯する視界- 第2回

今回は、「世界四大文明」シリーズの中村の風景画を分析するための準備として、スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセットが西洋絵画を語るときに用いた「遠視法」という視覚を参照していきます。「遠視法」は、その言葉のとおり対象から遠ざかる視覚でありながら、それは最終的に新たな近さを獲得するといわれます。このような「遠視法」とは一体どんな視覚なのでしょうか。今回はオルテガの著作を中心に、独特の遠近構造を持つ「遠視法」について見ていきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

全体の目次はこちら

 

企画・編集:橋爪節也・武澤里映

投稿日: