中村貞夫の視覚構造-「世界四大文明」シリーズにおける遠近を交錯する視界- 第3回

連載コラム「中村貞夫とその芸術」

大阪大学総合学術博物館は、豊中市立文化芸術センターとともに2018年に洋画家中村貞夫の回顧展「洋画家 中村貞夫  四大文明の源流を求めて 探究の旅、描きとめる熱情 」を開催しました。大阪にうまれ、大阪大学を卒業した中村貞夫は、現在も制作を続ける油絵画家です。このコラムでは、展覧会では伝えきれなかった中村の魅力を、中村貞夫に関わりのある論者から、様々な視点を通じ伝えていきます。

 

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第10回 2021年2月17日

武澤里映 中村貞夫の視覚構造-「世界四大文明」シリーズにおける遠近を交錯する視界- 第3回

前回は哲学者オルテガ独特の「遠視法」についてまとめました。では、これによって中村貞夫の「世界四大文明」シリーズをどう語ることができるでしょうか。最終回である今回は中村自身の言葉も頼りにしながら、その風景画にある近さと遠さが交錯していく視覚を分析していきます。その中で見えてくるのは、近さと遠さが交錯する独特の視覚構造は、中村の油彩にとどまらず、画業それ自体にも貫かれている姿勢だということです。

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企画・編集:橋爪節也・武澤里映

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