「園~ここは現実か?~」
会場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館 3階多目的室
会期:2019年8月31日(土)~9月7日(土)
※9月1日(日)休館
園、それは現実を切り取ったもの。しかし現実を超えた世界を見せる枠。
阪大美術部の部室は自由な活動と多様な価値観が認められるオープンな空間です。その自由さは作品にもあらわれ、題材はもちろん表現方法も多岐にわたる様々な作品が生み出されます。しかしどの作品にも言えることがあるのではないか、と思うのです。それは、作者ならではの現実の切り取り方によって個性豊かな作品―新しい現実―を見せること。
現実と新たな現実が入り混じる、私たちに身近なもの。それが園でした。特定の性質をもったものを集めた場所である園は現実世界の縮図です。しかしそこでの経験は私たちの認識を変える新しいものでしょう。
今回の部展では「園」をテーマとし、現実への問いを4つの園に託しました。この展示が一つの園としてあなたの現実を揺るがすように。
2019年大阪大学美術部
「生態園」
当企画では、架空の動植物についての展示を行います。私たちとは異なる世界の生き物を作り、その生き物たちの住む場所を地図として制作しました。
私たちが普段博物館などでみる展示は、現実の一部を切り取ったものです。移されたそれは、現実の模倣をする虚構と捉えることができます。私たちは博物館の展示から現実について学び、想像します。展示の内容が架空のものだとしても、そこからあるかもしれない世界を想像できるのではないでしょうか。展示をみながら、目の前にはない世界に思いを馳せてみてください。
「肉体園」
生きていて、身体に限界を感じたことのない人はいないでしょう。技術も何もなかったら、私たちは身体という枷によって何をするにも不便です。高いところのものはとれないし、ずっと遠くにいくのも叶いません。
身体は私たちの精神を束縛する、自由を奪う檻。簡単な図式ですが、もしかしたら、私たちがその自由を求め、崇める精神さえも、自分たちで作り出したまやかしに過ぎないかもしれません。
肉体園では、こうした身体に無意識に取り囲まれている自分を意識させる展示を目指しました。
「脳内園」
当企画では、私達を閉じ込めている脳について考えてもらいます。未だに脳の中に私達の全てが詰まっていて、脳が作った架空の園内で私達は一生を過ごすしかありません。
脳はどうやって「私達」を作り出し、この鮮やかな現実を見せてくれているのでしょうか? また、作り出された「私達」はどのようなものでしょうか? これらの問題を様々な角度から捉えた作品を展示することで、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
「夢現園」
誰もが一度は願ったことがあるのではないでしょうか?「この夢のような時間がいつまでも続けばいいのに…」と。
架空のキャラクター、架空の設定、現実離れした体験ができるアトラクション、煌びやかなショーやパレード…これらの要素を詰め込んだ「遊園地」という空間は、まさにフィクションのような現実を提供してくれます。
当企画では「遊園地」での体験をさまざまな角度から切り取り、作品という形に残すことで、あのひとときが蘇ってくるような展示を目指しました。
「夢現園-インアドリームパーク-」へようこそ。夢のような現実をお楽しみください。
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