「衣と生活 kimono and life」かんさい・大学ミュージアム連携プロジェクト
ゴージャスとモダニズム
ー船場の美意識単包、塩野家コレクションとその周辺―
きものや和装小物を身につけた生活。現代日本人の日常から忘れられつつあるライフスタイルかも知れません。しかし、かつて大阪は繊維の街として栄え、日本第一の経済都市として、贅沢ともいえる独自の服飾文化を誇っていました。
近畿の大学博物館が参加する「かんさい・大学ミュージアム連携」では、「衣と生活 Kimono and Life」をテーマに共同で多彩な展覧会やシンポジウムを企画開催いたしますが、大阪大学総合学術博物館では、武庫川女子大学附属総合ミュージアム設置準備室と連携して、ミニ展示とシンポジウムを開催します。
大正12(1923)年設立の塩野香料株式会社の源流は、文化4(1808)年、道修町に創業された塩野薬種問屋であり、明治41(1908)年に香料を商うようになりました。“外見は地味に”を暮らしの主旨としたという当主夫人のことばから伺えるように、当時の暮らしを伝える塩野家コレクションからは、北船場の商家として堅実な伝統を引き継ぐ一方、明治から大正昭和初期のモダニズムの香りがたちのぼります。
ミニ展示では、婚礼の打掛や大阪で活躍した日本画家・森関山や庭山耕園が描いた塩野家の袱紗を中心に展示し、ふくよかでゴージャスな当時の女性の姿を髣髴とさせ、品格にあふれながらも贅沢でモダンな、船場を中心とした近代大阪の美意識を探ります。またシンポジウムでは、船場の美意識とともに、きものの歴史や魅力について多面的に掘り下げます。
会 期:2019年9月24日(火)~ 10月18日(金)10時30分~17時(入館は16時30分まで)
日曜・祝日休館(ただし、10月5日(土)はシンポジウム開催のため特別開館)
会 場:大阪大学総合学術博物館歴史展示室(大阪大学会館3F) ※入場無料
主 催:大阪大学共創機構社学共創本部/総合学術博物館、武庫川女子大学附属総合ミュージアム設置準備室
共 催:かんさい・大学ミュージアム連携実行委員会
協 力:大阪大学21世紀懐徳堂
関連企画
シンポジウム 大大阪モダニズム再考
日 時:2019年10月5日(土)13時30分~16時
会 場:大阪大学会館アセンブリーホール ※入場無料,事前申込不要(先着順)
プログラム:タイトル「塩野家コレクションと船場の美意識」
1.近江晴子(大阪天満宮文化研究所/船場大阪を語る会 顧問)
「船場のくらしについて思うこと」
2.船越幹央(地方独立行政法人大阪市博物館機構 学芸員)
「モダン大阪のおもかげ」
3.横川公子(武庫川女子大学名誉教授/附属総合ミュージアム設置準備室長)
「塩野家コレクションとその周辺」
4.橋爪節也(大阪大学共創機構社学共創本部/総合学術博物館 教授)
「船場の画家と大阪の美意識」
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