大阪大学中之島センター カフェテリア・アゴラ展示企画
都市の眼差しと息づかい
赤松麟作『大阪三十六景』より

古代より大阪は、海と川が交わる地の利を背景に、人・物・文化が行き交う交流の拠点として発展してきました。戦乱や災害によって幾度も都市の姿を失いながらも、そのたびに再生を遂げ、商業と物流の中心として「天下の台所」と称されるまでに成長しました。こうした都市の活力は、文楽や上方落語といった庶民文化を育み、近代以降は産業都市として世界と結びつきました。大阪大学もまた、この地に根ざす知の拠点として、多くの人材を輩出し、大阪とともに時代の変化を支えてきました。
このような大阪の都市景観と日常の営みを独自の眼差しで描き続けたのが、画家・赤松麟作(1878–1953)です。生涯を通じて大阪を拠点に活動した赤松は、美術教育や挿絵制作を通じて地域文化に深く関わりました。代表作『大阪三十六景』は、名所の描写にとどまらず、市井の人々の姿や街の気配を木版画として丹念に刻み込んだ連作です。そこには、変わりゆく都市の姿を記録し、未来へ伝えようとする強い意志が込められています。
本展では、『大阪三十六景』を通して、赤松麟作が見つめた大阪の表情と、その背後に重なる都市の記憶を来場者の皆さまと共有したいと考えています。カフェという日常に近い空間で作品に向き合うことで、現代の大阪と過去の大阪が自然に重なり合い、都市と人、そして知が育まれてきた時間の連なりを感じていただけると幸いです。
期 間:2026年2月 ~ 2027年2月(予定)
場 所:大阪大学中之島センター2階『カフェテリア・アゴラ』
開館時間:8:30~21:30(土日祝日も開館)
観覧料:無料
展示作品:大阪帝国大学(大阪大学)、中央公会堂、控訴院、本町、心斎橋、道頓堀、大正橋
主催:大阪大学総合学術博物館
企画:大阪大学人文学研究科・大阪大学中之島芸術センター「アートプロデュース論」受講生
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