第10回企画展 

“漆”(JAPAN)の再発見                           -日本の近代化学の芽生え-

会  期:2010年1月16日(土)~2010年3月30日(火)

会  場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館

 

第2回企画展-3-13

 私たちは《漆》を用いた道具や装飾品に囲まれて生活しています。かつて欧米で“japan”(ジャパン)が「漆器」の意味でも用いられたように、ウルシノキなどの樹液を用いた天然樹脂塗料である《漆》は日本人と密着し、古くから様々な用途に用いられてきました。
 何度も塗り重ねられた《漆》は、固まると丈夫な表層を形成してモノを保護します。仏像の造像、武将の甲冑にも使用されました。さらに黒や朱色の光沢の美しさと螺鈿(らでん)、蒔絵(まきえ)、堆朱(ついしゅ)などの加飾技法は、美しい工芸品を生み出し、桃山時代の高台寺蒔絵など息をのむ美しさです。
 この展覧会は、“しなやかに、つよく、美しい”漆について、その分子構造を解明した化学者・眞島利行(大阪大学理学部化学科の創設者の一人)らの業績をたどり、分かりやすく《漆》について解き明かしていきます。実用性から美の世界までを可能とする「ウルシオール」─それはいかなる物質か?
この疑問を探る知的好奇心の旅へと皆様を導きます。

 

主  催:大阪大学文学研究科、大阪大学総合学術博物館

協  力:大阪大学21世紀懐徳堂

関連企画

<ミュージアムレクチャー>
2月6日(土)午後1時~

木彫文化財保存修復-現場での漆の使われ方とそのコツ

2月6日(土)午後3時~

漆・漆器産業の盛衰と化学産業-漆器産業再生の鍵を探る-

2月20日(土)午後1時~

漆の可能性を考える

2月20日(土)午後3時~

眞島利行の漆の化学的研究

会場:待兼山修学館 3階セミナー室

   参加無料、事前申込不要

 

 

スペシャル対談

2月3日(水)

午後3時~

北村昭齋氏(人間国宝・重要無形文化財保持者)、鷲田清一氏(大阪大学総長)

会場:待兼山修学館 3階セミナー室

   参加無料、事前申込不要

 

 

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