—「境」—
Osaka University Art Club Summer Exhibition 2023
“Boundary”
会場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館 3階多目的室 ※入館無料
会期:2023年8月28日(月)~2023年9月4日(月) 10時30分~17時(入館は16時30分まで)
※9月3日(日曜日)は休館
「境」
大阪大学美術部は2023年、3年ぶりとなる大阪大学総合学術博物館での夏部展を開催致します。この3年間、私たちを対面での展示会実施から遠ざけたのは、コロナ禍でした。—コロナ禍で見えてきたもの。それは人と人との境ではないでしょうか。人と人、国と国、社会と社会、文化と文化、そこには目に見えない境が存在しています。分断を招き、対立を呼ぶ境の存在を、考える必要があるのではないでしょうか。おそらく私たちは、境について、それを創造し、守りながら、その存在を疑い、曖昧さに気付いて、そしてエネルギーをもって壊し、そしてまた新しい世界を構築する、という過程を辿っているのではないでしょうか。この繰り返すプロセスをヒントに、大阪大学美術部員が考える境を力強く表現します。芸術の訴えかけるものを体感してください。
第Ⅰ章「曖昧になる境」
そこに境は存在するのか。— 境の存在を疑います。境界があると言われている。だからあるはずなのにそれがはっきりしない、7色の虹、夜から朝、植物と動物、国と国、マイノリティとマジョリティ。人間は何処かに線引きをしているつもりですが、実はよく考えてみると、その境はぼやけたものかもしれません。それはちょうどさまざまな色がグラデーションを作り出すように。
第Ⅱ章「崩壊する境」
境は本当に必要か。— 境の存在を問いなおします。既存の、人工の、形作られた境を取り払ってみます。そこに作り出された境は、私たちにどのような影響を与えるのでしょうか。それは必ずしも分かりやすくて良いものばかりとは限りません。時には境を壊す、破壊するという力を求められるかもしれません。こうして崩される境と、それを壊すエネルギーとを体感しましょう。
第Ⅲ章「創造する境」
境は無くなるべきなのか。— 境の存在を直視します。境は目に見えなくても、不都合であっても、心の中に存在するのです。敢えて作り出されているのです。自ずと生み出されているのです。守られているのです。自然、そして人間に境を作らしめているものは一体何でしょう。境を利用すれば何ができるのでしょう。いっそのこと、その境を楽しんでみるのも一興かもしれません。
第Ⅳ章「異境」
境を越えたその先に。— 境の意味を転換します。ここは部員の自由な想像の世界。魔境であり、秘境であり、辺境であり、仙境かもしれません。境を生み出し、その存在を疑い、壊し、越境していく。その先に開かれた場所とは一体どのような世界なのでしょう。この世界にはまだ、境があるのでしょうか。それとももう、境は存在しないかもしれません。美術部の想像力と創造力が結集し生まれたこの異境を堪能しましょう。
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