大阪大学総合学術博物館 第24回企画展
石濵純太郎展
―なにわ町人学者の東洋学―
石濵純太郎(いしはまじゅんたろう、1888〈明治21〉~1968〈昭和43〉、関西大学名誉教授)は大阪が生んだ大正から昭和戦後期に活動した東洋学者です。自他ともに認める“町人学者”として、敦煌文献や未解読だった西夏文字、懐徳堂の富永仲基の学問を研究しました。膨大な研究資料のコレクションと彼のまわりに集う人々の輪「石濵サロン」は、生前から讃嘆されていました。
また彼は大阪大学の前身校でもある大阪外国語学校・大阪外国語大学、(旧制)大阪高等学校で学び教え、さらに重建懐徳堂を活動の場とするなど、大阪大学とも縁が深い学者です。没後、蔵書などが大阪外国語大学に「石濵文庫」として入り、現在は大阪大学附属図書館に保管されています。和書・漢籍・欧米諸言語の図書・雑誌だけでも4万冊以上にのぼりますが、そのほかにも石碑から採った拓本や彼の交友の広さを示す書簡などの学術資料も膨大な点数があります。現在も整理・研究が進められ、新たな発見があいついでいます。
本展覧会では、石濵純太郎が収集した資料から、漢字の変遷とアジアの文字・言語の多彩さ、また彼をとりまく学芸ネットワークについて、展示を通じてご紹介します。
会 期:2023年6月3日(土)~ 7月29日(土)日曜・祝日休館
10時30分~17時(入館は16時30分まで)
会 場:大阪大学総合学術博物館待兼山修学館 ※入館無料
主 催:大阪大学総合学術博物館、大阪大学大学院人文学研究科
協 力:大阪大学附属図書館、大阪大学外国語学部、
大阪大学文学部、一般財団法人 懐徳堂記念会
展示資料解説集を追加しました(6/2)
展示構成
第Ⅰ部 石濵純太郎コレクションからみる東洋の文字
1)漢字とその仲間のひろがり
- 漢字(甲骨文/金文/篆書/隷書/楷書/行書/草書/日本の漢字)
- 契丹文字
- 西夏文字
- 女真文字
2)アルファベットの東洋への旅
- シリア文字
- ソグド文字
- ウイグル文字
- モンゴル文字
- 満洲文字
- チベット文字
- パクパ文字
- 突厥文字
第Ⅱ部 石濵純太郎をめぐる人々―学芸のネットワーク
- 石濵家と泊園書院
- 大阪府立市岡中学校
- 東京帝国大学・支那文学科
- 景社と懐徳堂の復興
- 京都の東洋学者たち
- 大阪外国語学校
- 関西大学ほかの教職、講演
- 大阪・住吉の石濵学芸サロン
主な展示品
前期【6/3(土)~7/1(土)】と後期【7/3(月)~7/29(土)】で一部の資料の展示替を行います
詳しくは展示リストをご覧ください
前期展示 |
前期は部分展示、後期は全面展示 |
※いずれも大阪大学附属図書館所蔵
関連企画
ミュージアムレクチャー
いずれも13:30~15:00 待兼山修学館 3Fセミナー室
定員30名/先着順、開始30分前受付開始、参加費無料・事前申込不要
- 6月3日(土)
石濵シューレ(“石濵学派”)に集った東洋言語学者たち
長田俊樹(総合地球環境学研究所名誉教授)
- 6月10日(土)
石濵文庫の調査と研究 ―展示の見どころ
堤 一昭(大阪大学人文学研究科教授)
- 6月24日(土)
石濵純太郎とネフスキー
生田美智子(大阪大学言語文化研究科名誉教授)
- 7月1日(土)
薬種問屋石濵屋から町人学者、純太郎へ
石浜紅子(なにわの海の時空館 元館長、石濵純太郎ご令孫)
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