中村貞夫の視覚構造-「世界四大文明」シリーズにおける遠近を交錯する視界- 第1回

連載コラム「中村貞夫とその芸術」

大阪大学総合学術博物館は、豊中市立文化芸術センターとともに2018年に洋画家中村貞夫の回顧展「洋画家 中村貞夫  四大文明の源流を求めて 探究の旅、描きとめる熱情 」を開催しました。大阪にうまれ、大阪大学を卒業した中村貞夫は、現在も制作を続ける油絵画家です。このコラムでは、展覧会では伝えきれなかった中村の魅力を、中村貞夫に関わりのある論者から、様々な視点を通じ伝えていきます。

 

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第8回 2021年1月20日

武澤里映 中村貞夫の視覚構造-「世界四大文明」シリーズにおける遠近を交錯する視界- 第1回

 

第8回目からは大阪大学美学研究室に在籍する武澤里映による中村貞夫の油彩画の視覚についての論を掲載します。中村貞夫は、還暦を迎えた1994年から「世界四大文明」シリーズに取り組み始めますが、これらの絵画はまるで肉眼でとらえたままのような揺らぎがありながらも、どこか非日常的な静けさを感じさせます。今回のコラムではそうした「世界四大文明」シリーズを、スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセットによる「遠視法」という概念によって論じることを試みます。第1回目ではまず「世界四大文明」シリーズ以前の中村貞夫の視覚を整理していきます。

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企画・編集:橋爪節也・武澤里映

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