「みる科学」の歴史 懐徳堂・中井履軒から超高圧電子顕微鏡まで
会 期:2006年10月30日(月)~2006年11月24日(金)
会 場:大学教育実践センター本館(イ号館)(豊中キャンパス)
この展覧会は2部構成となっています。
まず、第1部(第1室)では、大阪大学の精神的な源流でもある懐徳堂の中井履軒をとり上げ、その自然科学の領域の業績を、大阪大学所蔵の資料によってたどります。履軒は、さまざまな自然界の事象をみずからの目で観察し、その考察結果を文章にまとめるだけでなく、絵画や模型を作って表現しています。美しい博物図譜や、解剖図、さらには天体モデル、そして、顕微鏡観察記録など、阪大の資料を陳列することで、履軒の「みる科学」の足跡を追いたいと考えています。陳列資料の中には、文学研究科懐徳堂センターの地道な資料整理によって見出された新出の資料も含みます。履軒の記した「顕微鏡記」は日本人による顕微鏡観察記録としてはもっとも早い貴重な資料ですが、そのときに履軒が覗いていたのと同じタイプのものと考えられる江戸時代の顕微鏡1基(個人蔵)もあわせて陳列します。
第2部(第2室)では、履軒の「顕微鏡記」を受けるかたちで、大阪大学微生物病研究所所蔵の細菌学の祖コッホゆかりの顕微鏡や大阪大学工学部の電子顕微鏡開発の歴史をたどる展示を行います。肉眼や光学顕微鏡では「見えない」ミクロの世界を「みる」ようにすることが20世紀の自然科学者の夢の一つと言ってよいでしょう。電子が粒子であると同時に波であるという奇妙な性質をもつことを利用して開発された装置が電子顕微鏡です。わが国で最初に組み立てられた第1号機を展示するとともに、現在世界最高性能を誇る超高圧電子顕微鏡を遠隔操作で体験するコーナーも設けます。
主 催:大阪大学総合学術博物館
協 賛:大阪大学大学院文学研究科、財団法人懐徳堂記念会、大阪大学超高圧電子顕微鏡センター
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