展示内容
1.
変わる里山:北摂の絵図と地図にみる景観変化
2.
貨幣と空間,そして時間−藩札の形成,流通,銷却:故作道洋太郎名誉教授遺贈資料より−
3.
物質科学へのアインシュタインの功績
4.
この世で最も重い原子を求めて
5.
漢方薬ナビゲーション:時空を超えて科学する心
6.
宇宙から見た世界の雷活動
7.
太陽エネルギーの有効利用
8.
繰り返しから生まれる複雑さ
9.
ナノテクの4次元空間=ナノ3次元+アト秒
10.
PDBj: Protein Data Bank japan (日本蛋白質構造データバンク)
11.
時を止め、空間を作る
12.
琥珀にひそむ時空のなぞ
13.
時間と空間の知覚:知と行動の科学
14.
曲面の世界
15.
出版活動
8. 繰り返しから生まれる複雑さ
情報科学研究科 / 竪 直也・入江 覚・谷田 純
三角形や四角形などの単純な図形を順次重ねていくことにより、複雑な形状をもつ図形「フラクタル」を生成できます。これは、図形に対する反復写像の時間的、空間的発展が新たな複雑さを生み出すことを示しています。
本ブースでは、時空間発展を効率的に実行する「フラクタル光プロセッサ」により、その生成過程を体験してもらいます。単純な光信号からさまざまな図形が作られていく様子を見て、時空間発展の不思議に触れてもらいます。
情報数理学専攻
情報計算物理学講座
http://www-lip.ist.osaka-u.ac.jp/
フラクタル図形とは
フラクタル図形
は、従来の図形(多角形や円など)とは異なり、
無限の複雑さをもつ
ことが特徴です。また、
図形の一部分を拡大すると元の図形と同じ形状が現れる
という特徴もあります。
元来数学的な概念に過ぎませんでしたが、樹木の枝、海岸線など自然界に存在する様々な形状との類似性が注目されています。
フラクタル図形の作り方
ある単純な図形を縮小したものを、複製して重ね合わせます。この操作を続けて行なうと、初めは粗かった構造がだんだんと微細な構造へと変化していきます。
この操作を無限に繰り返すことにより、
無限の複雑さをもつ図形(フラクタル図形)
が生成されます。初期図形の種類や重ね方を変えてやることにより、多様な形状のフラクタル図形を生成できます。
図5
太陽光発電は理想的なエネルギー源ですが、現状の太陽電池で得られる発電コストは約45円/kWhと、家庭用電力料金の2倍にもなっています。
太陽光発電を本格的に広げてゆくためには、この発電コストを引き下げることが重要です。その実現のためには発電の効率を高めることと、太陽電池の製造コストを低くすることが不可欠です。
フラクタル光プロセッサ
フラクタル図形のような複雑で微細な形状を効率良く生成するため、
フラクタル光プロセッサ
を開発しました。
このシステムは、レンズやプリズムを組み合わせた単純な光学系とパソコンとから構成されています。システムを調整することにより、フラクタル図形だけではなくさまざまな形状を簡単に生成できます。
図6
図7
単純な法則に基づく時空間発展は、複雑なパターンを生成する自然界の普遍的な方策です。
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大阪大学総合学術博物館 第4回企画展 時空のなぞ
〜アインシュタイン・イヤーによせて
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