展示内容
1.
変わる里山:北摂の絵図と地図にみる景観変化
2.
貨幣と空間,そして時間−藩札の形成,流通,銷却:故作道洋太郎名誉教授遺贈資料より−
3.
物質科学へのアインシュタインの功績
4.
この世で最も重い原子を求めて
5.
漢方薬ナビゲーション:時空を超えて科学する心
6.
宇宙から見た世界の雷活動
7.
太陽エネルギーの有効利用
8.
繰り返しから生まれる複雑さ
9.
ナノテクの4次元空間=ナノ3次元+アト秒
10.
PDBj: Protein Data Bank japan (日本蛋白質構造データバンク)
11.
時を止め、空間を作る
12.
琥珀にひそむ時空のなぞ
13.
時間と空間の知覚:知と行動の科学
14.
曲面の世界
15.
出版活動
10. PDBj:Protein Data Bank japan
(日本蛋白質構造データバンク)
蛋白質研究所/中村春木 、 鎌田知
日本蛋白質構造データバンク(PDBj)では、世界中の研究者が競って解析を進めわかってきた蛋白質というナノメートル・スケールの分子の立体的な「かたち」のデータを、欧米と協力して収集している。
3万件を越えるこれら蛋白質分子の「かたち」には、生命誕生以来の時間と空間の情報が詰まっている。
ゲノム・プロジェクトによって、1個体を規定する遺伝子の総体である ゲノム情報が、様々な生命体に対して明らかにされている。
個々の遺伝子情報が物理的に具現化した分子である蛋白質は、生命が誕生して以来、その可変的でかつ永続的な活動に主要な役割を演じている。
PDB (Protein Data Bank): 蛋白質の立体(3次元)構造情報
原子種とその座標、アミノ酸残基、実験手法、実験時の情報、実験観測データ(構造因子)を整理して登録する。
X線結晶解析、核磁気共鳴法(NMR)、電子顕微鏡観測
蛋白質立体構造
(Rice dwarf Virus composed of3,500,000 atoms (1UF2: By Nakagawa et al., 2003))
蛋白質は、遺伝情報に基づいて、20種類のアミノ酸が数十から数千個、分岐なく鎖状につながったものであり、この鎖の長さとアミノ酸の並び方の多様性が、さまざまな「かたち」を出現させ、個々の特徴のある分子機能が発揮されている。
アミノ酸の骨格構造に注目してみると、らせん状やシート状の規則的な構造が頻繁に観測される。
これら規則的な構造の配置のしかた・トポロジーは、蛋白質の「かたち」を特徴づける構造型として「フォールド」と呼ばれ、既に800種類ほどのフォールドが発見されている。
蛋白質構造データバンク(PDB)は、国際組織としてwwPDB (world-wide PDB:国際蛋白質構造データバンク http://www.wwpdb.org/)を2003年に日米欧で設立し、人類全体の貴重なデータベースとして、対象者によらず無償公開の原則に基いた運営がなされている。
生命誕生以来の時空情報の射影が蛋白質構造の多様性として現れている。
>>このページのTOPへ
大阪大学総合学術博物館 第4回企画展 時空のなぞ
〜アインシュタイン・イヤーによせて
INDEX