大阪大学総合学術博物館叢書2
大阪大学総合学術博物館叢書2
武家屋敷の春と秋――萬徳寺所蔵「武家邸内図屏風」
『大阪大学総合学術博物館叢書2 武家屋敷の春と秋――萬徳寺所蔵「武家邸内図屏風」』が大阪大学出版会より刊行されました。ISBN978-4-87259-212-2、定価は2100円(税込み)です。
この叢書は、大阪大学所蔵の標本や資料を活用した研究の成果を公開するために、2005年度より刊行を開始したものです。第1冊目『扇のなかの中世都市――光円寺所蔵「月次風俗図扇面流し屏風」』にひきつづき、文学研究科に蓄積されているスライド資料の活用を目指して企画し、執筆は本館館員の泉万里が担当しました。
福井県小浜市萬徳寺に所蔵されるこの屏風は、狩野定信という画家によって17世紀の中ごろに描かれたものです。武家屋敷の春と秋の暮らしの風景が描かれていますが、このような主題はたいへん珍しくほかに例がありません。屋敷のなかでは、多くの美しい青年たちが、さまざまなお稽古事に励んでいます。立花に連歌、蹴鞠に大弓と、その内容は盛りだくさんで、さながら江戸時代初期の稽古事づくしといった風情です。屏風の細部に目をこらせば、江戸時代の風俗、道具、建築、装束、人々のさまざまなしぐさなど、豊かな情報に満ち溢れた絵画であることに気づかれることでしょう。日本近世の絵画史料に関心をおもちの研究者ばかりでなく、一般の古美術や歴史愛好家の方々にも読みやすい本になるよう努力しました。 カラー図版を多数収録したA4判の本です。どうぞ、お近くの書店でお求めください。また、大阪大学生協でも取り扱っていますし、大阪大学出版会 www.osaka-up.or.jp(電話06−6877−1614)で直販もしております(博物館では直販はしていません)。
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大阪大学出版会
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