大阪大学総合学術博物館叢書3

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 城下町大坂 −絵図・地図からみた武士の姿−

『大阪大学総合学術博物館叢書3 城下町大坂 −絵図・地図からみた武士の姿−』大阪大学総合学術博物館・大坂歴史博物館監修大阪大学出版会より刊行されました。ISBN978-4-87259-213-9、定価は2100円(税込み)です。

殿様のいない城下町大坂
 江戸時代の大坂は、徳川幕府の直轄領として250年以上の長きにわたって存続し、その中心の大坂城は、幕府直轄の城として西日本最大の軍事拠点となっていました。まさに、大坂のまちは大坂城の城下町として形成されてきたといえます。しかし私達にとって近世の大坂は、武士の存在に比べて「商人の町」のイメージが強く、また、豊臣時代の大坂に比べて徳川時代の大坂の印象に乏しいのではないでしょうか。
 本書では、大坂城での政務活動を通じて作られた絵図に注目し、大坂城はどのような存在意義をもち、そこを舞台に武士たちがどのような活動をしていたのかをみていきます。例えば、大坂城や周辺の屋敷管理、幕末の大阪湾の警固、城内外での様々な儀礼や儀式などに関わる絵図を紹介しています。こうした資料の多くは、地元大阪というよりは、大坂での公儀を勤めた譜代大名や旗本家の家に伝えられることになり、本書で紹介した資料の大半はそうして全国各地に所蔵されることとなったもので、今回初めて撮影した資料も多数含まれています。
 また、本書は当館と大阪歴史博物館との協力によって作成されています。こうした大学博物館と自治体博物館の連携の試みはまだまだ少なく、その点においても注目される内容となっています。

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