大阪大学総合学術博物館叢書7
大阪大学総合学術博物館叢書7
森野旧薬園と松山本草 薬草のタイムカプセル
『大阪大学総合学術博物館叢書7 森野旧薬園と松山本草 薬草のタイムカプセル』高橋 京子・森野 子 著が大阪大学出版会より刊行されました。ISBN978-4-87259-217-7、価格は2400円(+税)です。
【内容】
森野藤助(賽郭)により創始された森野旧薬園(奈良県宇陀市大宇陀区)は、日本最古の私立植物園である.
薬園の植物などを賽郭が真写した彩色植物図譜『松山本草』は美術性の高い精緻な植物画であり門外不出であった.両者は当時栽培・自生していた薬用植物の姿を現代に伝える貴重な資料で大和の自然環境を知るタイムカプセルである.
現況と研究から分かったことを図譜と共に紹介する.
【主要目次】
- 森野旧薬園とは
森野旧薬園の現在/享保時代に活躍した本草学の特質 ー 生薬の基原植物の鑑別研究/森野藤助通貞(賽郭)と植村左平次の大和地方採薬/
森野薬園時代の漢薬種草木の育成とその後/その他の文化財的所蔵品
- 葛根と吉野本葛
葛根と葛粉(葛デンプン)/医薬品現料生薬の葛根(基原植物)ー 日本薬局方収載の変遷/生薬「葛根」の概要/吉野葛の由来/吉野葛の製造(水飛法と寒晒し)
- 松山本草の世界
松山本草の世界/松山本草図譜抄録 森野旧薬園原植物
- 薬草のタイムカプセル − 旧薬園に生きる植物
旧薬園に生きる植物 ー 薬草園への誘い/カタクリと賽郭/ナツツバキと森野家/植物相調査から見る半栽培(半自然)モデルとしての旧薬園/
環境指標植物・タンポポ調査から見る旧薬園の自然
- 国産生薬のルーツとマテリアルサイエンス
博物学から学ぶ生物多様性の原点と実践 ー 大和大宇陀「森野旧薬園」と薬種国産化政策/
生薬栽培の伝統 ー 江戸時代における奈良県の生薬生産(国産生薬のルーツ)/大和当帰の母種/材料生薬の品質 ― マテリアルサイエンスの視点から見る大和芍薬の有用性
リンク
大阪大学出版会
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